ヘルパンギーナと聞いて、なじみのない方は新しいスポーツか?
はたまた若者に流行の食べ物か?などと、想像を巡らせるかもしれませんね。
一方で子育てをされているお父さん、お母さんにはすぐに「ああ~、あれね!」ピンと来るでしょう。
なぜなら夏になると必ず1度は聞く言葉。
そうです、ヘルパンギーナとは乳幼児がかかりやすいの夏風邪の1つです。
夏風邪と言っても、実際はどのような病気なのか。
子供の症状や食べもの、登園についてや大人への感染など
をまとめてみました。
ヘルパンギーナの症状 子供は?
【初期症状】
初期症状として大きな特徴は2つあります。
1つはのどの痛み。もう1つは2~4日にわたる39度以上の高熱です。
一般的には鼻や咳の症状は出にくいようです。
特にこの病気はのどの奥が赤く腫れ、初めは赤い発疹、次に水泡ができることが代表的な特徴になるので、お子さんの場合は、のどを痛がったり、食べ物や飲み物を飲み込みづらくなったりする様子が見られるでしょう。
また、突然高熱がでる傾向の強い病気ですので、過去に熱痙攣にかかったことがあるお子さんは、十分な注意が必要ですね。
【感染から回復まで】
潜伏期間は通常3~6日、長くて1週間程度と言われています。
その後、発症してから2~4日程度で症状が治まり、徐々に回復していきます。
ウイルスは発熱時の感染力が一番強く、回復と同時に徐々に減っていきますが、2~4週間は体内に残り続けるとのこと。
意外と長く体内に残るのですね!感染者と常に一緒にいる人は十分な注意が必要です。
【原因と感染経路】
この病気は主にA群コクサッキーウイルスに感染することが原因とされています。
感染経路となるのは感染者からくしゃみやせきなどを通してうつる飛沫感染と便などの排泄物に残っているウイルスから感染する接触感染です。
【治療法】
今のところ、A群コクサッキーウイルスや他のヘルパンギーナを引き起こす可能性があるウイルスに対する薬はありません。
対処療法で治療をすすめることになりますので、解熱剤など診察を受けた病院から処方された薬を投薬し、安静に過ごします。
高い熱が出ているうちは、脱水症状などにも気を付けて水分補給もこまめにしましょう。
【流行期】
夏風邪と言われるほどの病気なので、4月から9月にかけて流行します。
7月頃がピークとされています。
暖かい時期になってきたら、各自治体の感染症情報やお子さんのいらっしゃる方は保育園、幼稚園で感染者情報がないかなど確認するのも大切ですね。
例年23週(6月)くらいから感染者数が大きく増えていくようです。
【予防法】
予防する方法は風邪と同じです。
手洗い、うがいや流行のピーク時には混雑を避けるなどです。
ヘルパンギーナの症状と手足口病の症状との違いは?
さて、ヘルパンギーナについて、こんな病気ですというのはお伝えできました。
が、やっぱりもう少し知りたい!というのはあると思います。
まずは「似たような病気はないの?」ということ。
よく初期症状が似ていると言われるのは「手足口病」です。
どちらもキーワードは発熱と発疹ですが、のどだけに水泡ができるヘルパンギーナと違い、手足口病はその名の通り口の他にも手や足に発疹が見られます。
プール熱(アデノウイルス感染症)、溶連菌感染症なども高熱を伴いますが、それぞれの病気に発熱以外のヘルパンギーナとは異なる特徴がありますので、何の病気かを見極めるのは難しいかもしれません。
早めに病院で診察をしてもらいましょう。
ヘルパンギーナ子供の食事は何がいいの?
さて次は「食べ物は何を食べたら良いの?」ということ。
のどが痛い!そんな時は、大人でも食べるのに一苦労です。食欲もなくなってしまうかもしれません。
お子さんの場合でも同様で、物を飲み込むのが辛そうなときは、そうめんやうどんなど柔らかく飲み込みやすいものが良いでしょう。
牛乳やプリン、ゼリーなどは飲み込みやすい上に、のども冷やしてくれるので、なお良いかもしれませんね。
食欲がなくても、脱水症状を起こさないように、水分補給だけはきっちりとしておきましょう。
ヘルパンギーナ子供の登園はいつからしていいの?
お子さんが保育園や幼稚園に登園されているご家庭で一番気になるのは、やはり「いつから登園して良いの?」ということですよね。
いつから登園して良いかというと、「それぞれの園による」ということになります。
平成27年度文部科学省の『学校において予防すべき感染症の解説』によると、ヘルパンギーナの分類は「その他の伝染病」で、条件によっては出席停止が必要と考えられる伝染病に位置付けられています。
登園登校許可の目安は「全身状態が安定している場合は登校(園)可能」が登園の条件となっていますが、このあたりの判断って難しいものです。うーん、私からは元気に見えるから行ってもいいかな?…のように。
ですので、園によっては個人の判断に任せるところもあったり、病院からの「登園許可証」が必要だったりそれぞれです。前もって確認しておくと良いポイントですね。
ちなみに、ヘルパンギーナにかかる年代は1歳代が最も多く、2歳,3歳,4歳,0歳と続くようです。免疫力の強い順です。
となると、保育園児、幼稚園児が最もかかりやすい上に、うつりやすい。
症状のところで「2~4週間はウイルスが体内に残り続ける」と書きましたが、お子さんたちは元気になれば登園してきますので、他のお子さんに移りやすくなるのは仕方がないことです。
このあたりはお互い様のようなものですから、冬でも夏でも手洗いうがいは予防対策として必須!です。
ヘルパンギーナ大人にうつるの?
最後に「乳幼児じゃなくてももうつるの?」ということですが、はい、うつります。
大人は乳幼児より体力もあるし、免疫力もある。
でも家族内に感染者がいたり、本人の体力や免疫力が落ちていたりすると、当然かかることもあります。
大人が2次感染などでかかった場合は、乳幼児より重い症状が出で、高熱が続いたり、倦怠感、関節痛などが見られたりすることもあります。
感染者の看病の際には、十分に気を付けましょうね。
ヘルパンギーナは子供にはよくある病気の1つです。
これを書いている私の子供も例に漏れずヘルパンギーナを患いました。
その他にも手足口病、プール熱、溶連菌感染症、インフルエンザ…すべてにかかりましたが、経験として言えることは初期症状だけでは全く何の病気か区別がつかない!
高熱が出ているのは明らかなのですが、のどが痛いのか、目が痛いのか、発疹がどこにでているのかなどは、初めのうちはよく分からずなかなか判断ができないんですよね。
いつもより明らかに高い熱がある、元気がないなどの変化があれば、迷わず病院で診察をしてもらうのが一番かなぁと思います。
ヘルパンギーナは何回もかかるの?再発熱は?プールでうつる?
の記事はこちらです。
ヘルパンギーナについて今日の情報がお役に立てば幸いです。