介護というのはとても大変ですね。
家族に介護職の者がいるのですが、
施設の利用者さんに認知症で88歳の女性が
おられて「夜中でも看護婦さーん」と大声で呼ばれるそうです。
なかなか言うことを聞いてもらえず、介護職員は利用者さんに
イライラすることが多い。
相手は認知症の方だから何度教えてもすぐ忘れる。
仕方ないことだとは思っても、あまりにも手間がかかるものだから
だんだん腹が立ってくる。
当然トイレへ行かねばならない状態なので、
「○○さん、トイレに行きましょう」と連れていこうとしても
「イヤ、行きたくない」とベットから離れようとしない。
ところが職員のAさんはとても上手に利用者さんを
動かしていく。
その利用者さんの手をとって、
下の名前で呼んで「○○ちゃん、一緒にトイレに行こうねえ」と
笑顔で優しく接する
そして利用者さんがベッドから動き始めると
「○○ちゃん、えらいねえ」と声をかけるそうです。
すると相手がやはり褒められると嬉しいのでしょう。
にこっと微笑まれるそうです。
そして無事トイレへ。
帰ってきたら「○○ちゃん、偉かったねえ、今度大好きなものを
食べようね」とまた褒める。
認知症のことですからとんでもないことをされることもあります。
そんなときはやはり叱ることになるのですが、根底に愛情が
あるので他の職員以上に厳しく叱るのですが、相手は
受け入れるそうです。
そしてまたそのあと何かのことで必ず褒めるのです。
相手を動かすのは根底にある愛情と笑顔、そして
優しい言葉、それがとても大事ですね。
年寄り笑うな行く道だ、やがて自分もこのようになっていくという
この相手の方も50年前はこんな状態ではなかった。
介護というのは本当に大変なことだと思います。